この記事では、種牡馬アジアエクスプレスの産駒傾向や特徴、馬券で狙う際のポイント、注目馬などを記載しています。
同じヘニーヒューズ産駒であり、現役時代は同馬主だったモーニンとはどのような違いがあるのかにも注目です。
2011年 アメリカ産 栗毛
通算成績12戦4勝。
2歳3月にノーザンファームによりフロリダの2歳セールにおいて23万ドルで落札され、日本に輸入されました。
デビューの時点で馬体重は534kgと雄大な馬格を有したアジアエクスプレスは、ヘニーヒューズ産駒らしい早熟性と卓越したスピードで新馬戦からダート戦で2連勝。
その完成度の高さと、連勝内容から川崎の全日本2歳優駿に登録をしますが、除外に。
目先を朝日杯フューチュリティーに替え、鞍上にはR.ムーア騎手を配したアジアエクスプレスは、道中は中団のインコース。
4角直線と巧みに外へと導かれると坂の登りで途中で変わり、鮮やか差し切りで初GⅠ制覇。
迎えた3歳シーズンでは、スプリングSから始動し2着。
続く皐月賞では、2番手追走の積極策も、最後は少し距離が長かったか脚が上がり、イスラボニータから0.4秒差の6着に。
ここから再びダートへ路線を切り替えたアジアエクスプレス。
ユニコーンSでは、内枠で揉まれこむ競馬が堪えたのか、圧倒的支持を集めながらも12着に惨敗。
しかし、続くレパードSでは、外枠に初ブリンカーの効果もテキメンで快勝。
ダートで更なる飛躍を秋以降も期待されましたが、このレースの後に骨折が判明。
復帰後もダート重賞で2着が2回と地力はみせたものの、怪我以前の勢いが感じられず5歳秋に引退へ。
父ヘニーヒューズは、優れた早熟性とスピード、そしてダート適性とハッキリとした個性を持っており、その特性を産駒にも強く伝える種牡馬です。
母のランニングボブキャッツは現役時代31戦9勝と堅実に勝ち星を連ねる活躍。
アジアエクスプレスを産んだ後は、日本に輸入されています。
母父のRunning Stag(ランニングスタッグ)は、米国産馬。
現役時代はGⅠ勝ちこそないものの米国、仏国、独国、UAE、香港と渡り歩き、
ゴントービロン賞(仏芝GⅢ2000m 1着)
ブルックリンH(米ダGⅡ1800m 1着)
サラトガBCH(米ダGⅡ2000m 1着)
マサチューセッツH(米ダGⅡ1800m 1着)
香港カップ 2着(※1着馬はファンタスティックライト)
と芝ダ両刀の活躍。
同馬の存在がアジアエクスプレスも日本芝で結果を残すことができた要因の一つと見ています。
5代までにはクロスの成立していない組み合わせで、全弟のレピアーウィットは、マーチSを制しています。
・基本的に2勝クラス突破で頭打ちの産駒が多い
・1番人気馬の勝率は、全体成績との比較で5倍
・長期休養明けには期待できず、叩き上昇型
安定して、勝ち馬を出すものの、大物はなかなか登場しない傾向に。
現在4世代がデビューし、昨年末までに96勝。
この中で、新馬、未勝利、1勝クラス、2勝クラスで92勝と明らかに2勝クラス突破後は苦戦傾向にあります。
堅実に1勝や2勝と勝ち星を取ってくれるので、馬主サイドや一口馬主サイドの方にとっては、孝行息子、娘と呼べる存在の馬も多いとは思いますが、産駒の爆発力に欠けてしまっていることは否めません。
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
6.8% | 15.1% | 22.2% | 62% | 71% |
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
35.6% | 52.5% | 64.4% | 90% | 84% |
勝率だけで見れば、約5倍の数値。
複勝でも約3倍という数値。
ただし、このデータは先に挙げた条件戦でこそというのは、念頭に置いてきたいところです。
ストームキャット系やダート短距離を得意とするタイプは休み明け、鉄砲が効くタイプが多いですが、アジアエクスプレスは逆と覚えておくといいでしょう。
特に半年以上間隔が空いた際の期待値はかなり低いです。
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
3.1% | 3.1% | 9.4% | 33% | 25% |
休み明けは叩き2戦目、3戦目で成績を上昇させる傾向にあります。
・1枠で先行力があり、5番人気以内
・出走の多い1200m、1400m戦では、3番手までで進めるか否かを考える(前走のポジションを考えず恐れない)
・芝なら新潟1000mで
1枠を引き、5番人気以内になった際には期待値が高い傾向に
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
23.4% | 40.6% | 53.1% | 149% | 107% |
ただし、レース中に馬群に包まれたりすると脆い産駒も多いので、ある程度先行できることが前提。
先行力があるか否か、メンバー比較でいいポジションを取ることができるかを吟味する必要があります。
出走数の多い1200mと1400mでもなんとか馬券に組むうえでのアプローチが欲しいところ。
やはり先行型を狙うべしという結論に至りました。
4角3番手以内で回れてきた際の成績は
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
15.2% | 35.9% | 49.8% | 105% | 129% |
と良好。
本来先行型でありながらも、ポジションが取れず力を出せずに負けてしまった馬の巻き返しを積極的に狙うと良いでしょう。
あとはメンバーの吟味。
テンに行けるのか否かが大きなカギを握ります。
ダート種牡馬の産駒が新潟1000mで好走する傾向があるというのは、有名な話ですが、アジアエクスプレス産駒も例にもれず。
ベタ買いでも
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
9.7% | 17.7% | 24.2% | 184% | 97% |
とプラス。6枠より外ならさらに成績は上昇します。
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
15.6% | 21.9% | 28.1% | 289% | 97% |
新潟開催の際は、注目のデータになります。
現役のアジアエクスプレス産駒の中では、唯一OPクラスで気を吐いている存在といっても過言ではないと思います。
新馬戦10着のあとは兵庫県競馬に移籍し、力をつけ中央に復帰。
園田最終戦となった猪名川町いなぼう特別から1、2、3勝クラスと4連勝でOP入りへ。
2023年のエルムSでは2着。
そして福島民友カップではレコード勝ちと今年目の離せないアジアエクスプレス産駒です。
5代母からのニホンピロエバートからはニホンピロウイナーが送り出されているファミリーで、母父にはフサイチコンコルドが配されているものの、全体的にはダート適性を強められている構成といえます。
2024年3歳世代で最も高い素質を感じさせるアジアエクスプレス産駒。
7代母Thongから世界的に繁栄を続けている牝系の一頭で、ノーザンファーム産と活躍の下地は充分。
新馬戦を東京芝1400m戦で白星で飾ると、11月には初ダートとなるオキザリス賞を勝利。
2戦目のクローバー賞では窮屈な競馬を強いられましたが、この時の経験がしっかりと糧になりつつ、ダートの適性の高さも見せた一戦に見えました。
左回りで現在2勝を挙げていますが、どうにも直線で左にモタれてしまうような幼さなのか、癖を持っているので、この点が改善されてくればもっとやれていいでしょう。
後はまだ経験のないマイルへ対応できれば、相当楽しみな存在です。
船橋、林幻厩舎に初の重賞タイトルをもたらしたグラッシーズマン。
9月川崎の若武者賞で初タイトルのあとは、盛岡の南部駒に遠征し7着。
続く全日本2歳優駿ではフォーエバーヤングから7.1差の10着と結果が残せず。
しかし、新馬戦、若武者賞と負かした相手がザオとパンセなら優秀。
南関東勢の中では高い素質があることには違いありません。
母のブルーセレブは現役時代に東京2歳優駿牝馬を制した素質馬。
牝系もガッチリダート構成なので、今後の成長に期待します。