このページでは、種牡馬ロジャーバローズについて、現役時代の走りから血統背景、産駒傾向、馬券のヒントについてまとめています。
通算6戦3勝。
角居勝彦厩舎の所属として入厩されるも、角居氏の不祥事により、中竹厩舎所属として2歳8月新潟芝2000m戦でデビュー。
続く紫菊賞ではアドマイヤジャスタに捕まり2着に。
明け3歳初戦となった福寿草賞では終始外3番手からの抜け出し。
その後はスプリングSに駒を勧めるものの、気負っていた面が影響し6着に敗れます。
仕切り直しとなった京都新聞杯では、馬に我慢を強いることなく思い切った先行策に。
直線追われてからもしぶとさ発揮で2着に粘り込み、日本ダービーへの優先出走権を獲得します。
迎えた日本ダービーでは、大逃げを打ったリオンリオンからは離れた単騎2番手を追走。
4角で後ろを待たずしてラストスパート。
直線ではダノンキングリーとの激しい追い比べとなるものの、ロジャーバローズは浜中騎手の激しい鞭連打に応え、クビ差残し切ってこの世代頂点の座へ輝きます。
秋は凱旋門賞挑戦へのローテーションが発表されていましたが、ここで浅屈腱炎を発症し引退の運びとなりました。
ごく簡単に説明すると血統構成は名牝ジェンティルドンナと8分の7同血。
母のリトルブックは、ドナブリー二の妹であり、ロジャーバローズは、ジェンティルドンナやドナウブルーの従兄弟という関係になります。
母父のLibrettist(リブレティスト)は、ムーンランドロンシャン(GⅠ芝1600m)やジャックルマロワ賞(GⅠ芝1600m)の優勝馬。
母父母父には凱旋門賞連覇の快挙を為したAlleged(アレッジド)の名も。
全体的な構成としては走りはキレ味ではなく、持久力に強いディープインパクト産駒といった印象。
ロジャーバローズ自身の走りそのものもかなり雄大で大跳び。
これが産駒にどう影響をもたらすかが一つ注目点となるでしょう。
【参考】ロジャーバローズ産駒のこれまでの成績
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
5.4% | 13.3% | 22.9% | 40% | 63% |
良血でありながらも、種付け料は2023年で120万円と安価。
ですので、産駒は中央競馬のみならず、地方競馬でもデビューを果たし、勝ち星を挙げている産駒もいます。
昨年中は中央でのダート勝利なし。
2024年に入り、集計期間内では4勝を挙げていますが、期待値は低い状況です。
◆ロジャーバローズ産駒×ダート戦
条件 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
ダート成績 | 3.8% | 10.4% | 19.8% | 26% | 65% |
特に良馬場で開催のダート戦では現状勝ちきれていない点が気になるポイントです。
◆ダート「良」成績
条件 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
ダ/良 | 1.5% | 10.8% | 20.0% | 7% | 72% |
昨年までは芝コースでベタ買いプラスでしたが、現状ではお買い得とはいかず。
◆ロジャーバローズ産駒×芝戦
条件 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
芝 | 6.7% | 15.7% | 25.4% | 52% | 61% |
というデータに。
回収率も段々と下がってきてしまっていますが、複勝率自体は25%とダート戦と比較しても優れています。
馬場適性は芝に出やすいということを念頭におきつつ予想を考えたいところです。
◆芝×1200~1400m
条件 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
芝1200~1400m | 16.7% | 27.8% | 38.9% | 152% | 88% |
馬券回収率自体が優秀なのは、オーキッドロマンスの威を借りているだけにすぎませんが、集計期間内で2勝以上挙げている産駒は共通して芝1400mでの勝ち星があります。
上の項目でも書いたことになりますが、集計期間内で2勝以上挙げている産駒は芝1400m戦で結果を残しています。
中でも東京芝1400m戦で好成績。
条件 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
東京/芝1400 | 30.8% | 38.5% | 46.2% | 123% | 116% |
後述もしますが、大きなストライドを伸ばせる大箱向きで、かつ短距離でという産駒傾向は今後も見られるかもしれませんね。
現に既に中央で2勝を挙げているオーキッドロマンスは、短距離で結果を出しています。
オーキッドロマンスは、自身が牝馬であることに加えて、牝系がかなり短距離色の強い構成なのでスプリンターとして出た形。
序盤からいいスピードを見せての終いの粘りというのは父譲りなわけですが、牝馬に関しては、今後こういった特徴を持つ馬が何頭も出てくるのではないのかなと思います。
キレ味勝負になりやすい日本の芝競馬では、常に頑張り続けても人気になりづらい馬券的には美味しいキャラクターが存在しますが、そういったタイプの産駒の登場にも期待できます。
先に記載したように、ロジャーバローズは跳びが大きく雄大な走りが現役時代の特徴。
産駒にもその点が遺伝し、さらに乗り役とのコンタクトともしっかり取れる利口な気性であるならば、長距離を舞台に活躍できる産駒が出てくると思います。
ロジャーバローズ自身は少しカッとなりやすい面があったようですが、この点をクリアして、さらに凱旋門賞ではなく、菊花賞に舵を切っていれば好勝負になっていたことも予想できます。
また父が輝いた舞台である、東京の2400mや、中京2200mなど、ストライドが伸ばしやすい上に持久力が問われる舞台での活躍も考えたいところです。
ダートでの期待値が低いことは先ほど記載しましたが、ダートで活躍馬を出している牝系との組み合わせ次第では、前進気勢を有し、持久力に優れたダート馬を送り出す可能性が考えられます。
ロジャーバローズのセンスの良さ、先行力はダート競馬においても活きてくると思うので、はじめからダートで活躍させる意図を持って生産された産駒の中では大物が出てくるかもしれません。
9月の新潟芝2000m戦でデビュー。
2戦目の中山芝1800mで初勝利と、牝馬ながらも中距離に適性がありそうな同馬。
母父Authorized(オーソライズド)は、英国ダービー馬で、牝系全体を見ても結構な重ためな構成。
フェアリーSは出遅れ、クイーンCではポジションが取れたもののジリ脚で精一杯の7着。
クイーンCにおいては、完全に差しに流れの向き東京馬場だったので、仕方ない面もあります。
やはりここ2戦の内容を見るに、もう少し距離は欲しいタイプかなと感じています。
この馬もまさしく東京よりかは中山でというタイプ。
キレ味不足で、牝馬クラシック戦線には乗れなさそうですが、地力自体は高い馬だと思うので、追いかけ続けようと思います。
菜の花賞では「いつもの元気がなく」6着に敗れたものの、それ以外は全て馬券圏内。
3歳OPへ昇級を決めた春菜賞では、2番手追走から直線でキッチリ伸びきっての先着。
今後も流れに乗っての持久力勝負を得意の形とするはず。
血統構成としても、切れ味勝負でというよりかは、持久力に振られているイメージを抱くので、今後も1400~1600mを舞台に楽しみは広がっています。
初年度産駒で一番の出世頭。
新馬戦ではサウジアラビアRC優勝馬のコンバデカーブースから0.4差の3着。
京王杯はレコードをマークしたコラソンビートの0.1差の3着。
LのクロッカスSでも勝ったロジリオンとは着差なしの2着に好走を続けています。
牝系由来のいいスピードを活かして、終いは粘りを効かせる競馬で結果を出してきた同馬。
ダートでの走りは今一つで、今後どのような進路選択をするかが注目です。
春はファルコンS、葵Sに出走の際は好勝負に期待したくなります。
1400mまではこなしたもののこれ以上の延長となると少し、分が悪いかもしれません。
◆ディープインパクト産駒
◆同厩舎