横山武史騎手は、日本競馬界で注目を集める若手ジョッキーの一人です。
彼の華麗な騎乗スタイルや冷静なレース運びは多くのファンを魅了し、数々のレースで輝かしい成績を収めてきました。
しかし、一部のファンからは特定の競馬場での成績が振るわないという指摘があり、特に阪神競馬場や京都競馬場におけるパフォーマンスが議論の的となっています。
この記事では、横山騎手の阪神および京都競馬場での成績を詳細に分析し、彼が本当にこれらの競馬場を苦手としているのかをデータに基づいて検証します。
また、彼がどのような条件下で好成績を残しているのか、その要因についても考察し、今後の成長に向けた課題を探ります。
横山武史騎手の阪神競馬場での成績
横山武史騎手が阪神競馬場で苦戦しているという指摘には根拠があります。
2023年の阪神競馬場における横山騎手の成績は、44回の出走で勝率が0%と極めて低い結果に終わっています。
★2023年横山武史騎手、競馬場別成績
コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 22-22-16-59/119 | 18.5% | 37.0% | 50.4% | 52% | 86% |
函館 | 14-14-13-40/81 | 17.3% | 34.6% | 50.6% | 82% | 92% |
福島 | 0-2-2-2/6 | 0.0% | 33.3% | 66.7% | 0% | 118% |
新潟 | 0-0-0-0/0 | – | – | – | – | – |
東京 | 36-27-34-165/262 | 13.7% | 24.0% | 37.0% | 54% | 65% |
中山 | 52-27-27-159/265 | 19.6% | 29.8% | 40.0% | 67% | 72% |
中京 | 1-0-2-5/8 | 12.5% | 12.5% | 37.5% | 68% | 77% |
京都 | 1-1-2-9/13 | 7.7% | 15.4% | 30.8% | 22% | 61% |
阪神 | 0-2-7-35/44 | 0.0% | 4.5% | 20.5% | 0% | 46% |
小倉 | 0-0-0-0/0 | – | – | – | – | – |
この数値は、他の競馬場での成績と比較しても非常に異例であり、彼が阪神競馬場を苦手としていることを示唆しています。
阪神・京都競馬場の特徴と横山武史騎手の相性を深堀する
経験値と得意戦法との不一致
横山武史騎手は、積極的な騎乗スタイルが目立ちますが、阪神競馬場においては、これが逆に裏目に出ることが多いのではないかと考えられます。
芝コースにおいても、ダートコースにおいても阪神競馬場は最後の直線コースに急坂が待ち受けているために、道中で動いたり、早仕掛けというのはあまり得策と言われていません。
対して、タメて直線でのトップスピード比べになりやすい、京都競馬場の中短距離戦ではもっと結果を出して良いと個人的には考えています。
実際に、2024年の宝塚記念ではソールオリエンスと共に、よく我慢を効かせて直線大外から伸びてきていました。
しかし、なかなか結果が出ない理由というのは、技術や経験だけではない理由もあるなと今回記事を書いていて感じました。
詳細は下記にてご紹介します。
騎乗馬の馬質を考える
横山武史騎手は美浦所属の騎手。関東のホープという位置づけになります。
関西馬は関西に籍を置く騎手に集まることが基本ですし、新しく坂路コースが美浦にもできたとはいえ、まだまだ関西馬のほうが日本国内では勝ち星が多い統計が出ています。
【参考】2023年中央競馬全成績、関東馬と関西馬の勝利割合
・関東馬:1470勝 42.7%
・関西馬:1989勝 57.5%
横山武史騎手がこの年、関西馬に騎乗した数は全体の約6分の1であり、なかなか関西コースで結果を出すには厳しい環境であったことが伺えます。
川田騎手やルメール騎手基準で東西関係なく騎乗馬が集まると思っているのは我々の勘違いなのかもしれません。
それほどまでに、横山武史騎手に対する期待が競馬ファンにとって大きいものであるという裏付けとして考えることもできますね。
横山武史騎手の好成績を残している条件とは
★2023年横山武史騎手、競馬場別成績の表をご覧いただいても、お分かりの通り、横山武史騎手は現状結果を出している競馬場とそうではない競馬場に偏りがあります。
ここでは、シンプルに勝利数も多く、回収率を考えても優秀な条件をご紹介します。。
横山武史騎手得意コース5選
コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
中山・ダ1800 | 39-25-17-126/207 | 18.8% | 30.9% | 39.1% | 68% | 63% |
中山・ダ1200 | 36-15-23-102/176 | 20.5% | 29.0% | 42.0% | 69% | 83% |
中山・芝1600 | 23-13-6-66/108 | 21.3% | 33.3% | 38.9% | 73% | 65% |
東京・ダ1600 | 22-15-15-98/150 | 14.7% | 24.7% | 34.7% | 65% | 60% |
中山・芝2000 | 19-12-11-51/93 | 20.4% | 33.3% | 45.2% | 85% | 74% |
勝利度数上位5選では回収率については100%を超える条件がありませんが、これは過剰人気なども含まれる結果でしょう。
次に過去3年で回収率100%を条件をご紹介します。
コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京・芝1400 | 15-9-16-44/84 | 17.9% | 28.6% | 47.6% | 125% | 97% |
札幌・芝1800 | 15-4-4-19/42 | 35.7% | 45.2% | 54.8% | 111% | 89% |
東京・芝2000 | 12-7-6-42/67 | 17.9% | 28.4% | 37.3% | 135% | 83% |
東京の芝コースでの高回収率が目立ちます。
横山武史騎手×条件別成績
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
新馬 | 28-37-34-138/237 | 11.8% | 27.4% | 41.8% | 70% | 76% |
未勝利 | 153-95-88-401/737 | 20.8% | 33.6% | 45.6% | 73% | 75% |
1勝 | 84-68-72-334/558 | 15.1% | 27.2% | 40.1% | 65% | 76% |
2勝 | 55-31-50-229/365 | 15.1% | 23.6% | 37.3% | 55% | 70% |
3勝 | 20-15-16-123/174 | 11.5% | 20.1% | 29.3% | 52% | 62% |
OPEN非L | 5-5-3-34/47 | 10.6% | 21.3% | 27.7% | 72% | 61% |
OPEN(L) | 2-5-2-26/35 | 5.7% | 20.0% | 25.7% | 25% | 63% |
G3 | 5-7-8-53/73 | 6.8% | 16.4% | 27.4% | 31% | 62% |
G2 | 8-6-9-33/56 | 14.3% | 25.0% | 41.1% | 166% | 106% |
G1 | 5-6-6-35/52 | 9.6% | 21.2% | 32.7% | 41% | 75% |
条件別成績では、未勝利戦の成績が目立ちます。
未勝利戦に関しては、特に2歳戦の成績が秀でており、勝利度数の多さだけではなく、率に関しても集計期間では複勝率約50%と優秀。
積極的に軸候補として狙っていくのは一つ作戦としてアリだ思います。
関西馬×横山武史騎手
上の項では、横山武史騎手は2023年関西馬の騎乗馬数が少ないとご紹介しましたが、関西馬に乗った際にはしっかり結果を出しています。
特に以下の5つの厩舎の管理馬では、しっかりと結果を出していることが数値からもうかがえます。
調教師名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
(栗)上村洋行 | 15-6-3-21/45 | 33.3% | 46.7% | 53.3% | 140% | 82% |
(栗)矢作芳人 | 5-2-2-10/19 | 26.3% | 36.8% | 47.4% | 124% | 104% |
(栗)斉藤崇史 | 4-2-2-8/16 | 25.0% | 37.5% | 50.0% | 178% | 100% |
(栗)橋口慎介 | 4-0-2-9/15 | 26.7% | 26.7% | 40.0% | 95% | 70% |
(栗)池江泰寿 | 3-5-3-7/18 | 16.7% | 44.4% | 61.1% | 59% | 177% |
特に上村厩舎は重用されているので、要チェックです。
横山武史騎手はスランプに陥りやすい?兆候や原因の考察
ネット上で横山武史騎手について、検索をかけると「横山武史 スタンプ」などのサジェストが出てきます。
この項では、その兆候や原因について考察していきます。
勝つときの爆発力がありすぎる
今後の日本競馬界を背負っていくことを期待されている横山武史騎手ですので、少し調子を崩してしまうだけで「スランプ」と言われてしまう側面は強いと思います。
また、勝つときの鮮烈さや、強烈なインパクトが印象的過ぎるあまりに、周りからの期待度も常に非常に高いものがあると思います。
生まれ持った環境や自身の性格も含め、スター性もありますし、若手ながら一気に騎乗機会4連勝というのは、過去3年の間でも3回。
そういった印象も強いので、連敗が少し続くことでも「スランプだ」と言われてしまうのかもしれません。
馬に無理を強いない
横山武史騎手も父の典弘騎手も兄の和生騎手にも共通して言えることになりますが、馬に無理をさせない印象があります。
勝負所で馬の反応を確かめて、少しでも違和感があれば押すのをやめて流れ込むことに徹していますし、あくまでも馬ファーストの姿勢が伺えます。
その姿勢が見方によっては、諦めてしまうのが早いであったり、またそれが連続すると「スランプだ」と言われてしまう原因の一つなのかもしれません。
日本競馬界の未来を担う若者の伸びしろはたっぷり
この記事では、横山武史騎手に関しての
・阪神、京都競馬場での成績について
・得意条件、好成績を残してる条件に関して
・スランプと言われてしまう理由
について、実際のデータを用いながら考察していきました。
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