この記事では種牡馬・マインドユアビスケッツの産駒に関する特徴や傾向について記載しています。
よろしければ最後までご覧になっていってください。
【参考】マインドユアビスケッツ産駒成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
66-67-49-795/977 | 6.8% | 13.6% | 18.6% | 97% | 70% |
これまでの勝利数の約3分の1が芝のレース。
そして産駒の活躍距離の幅も1000~2400mとかなり幅が広く、加えて馬場状態としても良から不良までしっかりとこなしてくるタイプが多い印象にあります。
サンデーサイレンスの血を持たないことからも、生産者サイドからすれば、素晴らしい万能種牡馬とも言えます。
デルマソトガケはダートでの代表。
一方芝では、函館記念をホウオウビスケッツが制覇。というところからも牝系の良さを引き出す種牡馬という推理もできます。
ホウオウビスケッツのみならず、先日2勝クラスを突破したツィンクルトーズも芝馬。
高速馬場ではまだサンデーサイレンス系の影響が強いタイプの方が優勢かもしれませんが、父の影響を受けた短距離戦向きの馬であればスピード比べで劣らない産駒も多く出てきそうです。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
逃げ | 7-2-2-27/38 | 18.4% | 23.7% | 28.9% | 613% | 166% |
先行 | 29-28-17-93/167 | 17.4% | 34.1% | 44.3% | 152% | 129% |
差し | 6-7-10-168/191 | 3.1% | 6.8% | 12.0% | 19% | 68% |
追込 | 1-4-8-152/165 | 0.6% | 3.0% | 7.9% | 4% | 29% |
圧倒的に前で競馬ができてこそな産駒成績になっています。
マインドユアビスケッツ自身は豪快な差し切りでドバイゴールデンシャヒーンを連覇している姿が印象的ですが、産駒は前半からのスピードに秀でたタイプが結果を残していることが伺えます。
気性的にも前向きなタイプが多いということも、データから読み取ることができます。
★馬場状態別成績
馬場状態 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝・良 | 10-4-7-70/91 | 11.0% | 15.4% | 23.1% | 254% | 93% |
芝・稍重 | 1-1-0-15/17 | 5.9% | 11.8% | 11.8% | 47% | 30% |
芝・重 | 2-1-1-8/12 | 16.7% | 25.0% | 33.3% | 127% | 80% |
芝・不良 | 0-0-0-0/0 | – | – | – | – | – |
ダ・良 | 19-20-19-237/295 | 6.4% | 13.2% | 19.7% | 51% | 66% |
ダ・稍重 | 5-7-5-65/82 | 6.1% | 14.6% | 20.7% | 94% | 76% |
ダ・重 | 5-3-1-28/37 | 13.5% | 21.6% | 24.3% | 115% | 71% |
ダ・不良 | 1-5-4-18/28 | 3.6% | 21.4% | 35.7% | 19% | 268% |
芝もダートも重発表では勝率が集計期間内では上昇していることが伺えます。
芝で水を含んでも減速要素が少なく、ダートでは先行脚質が多いことから脚抜きの良い馬場を味方にできる産駒が今後も多いのかなと考えています。
特に芝のレースで水を含んだ馬場になると、主流血統の失速が目立つので、そこでの台頭には注目したいところでしょう。
体重区分 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
400~419kg | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
420~439kg | 0-2-1-16/19 | 0.0% | 10.5% | 15.8% | 0% | 31% |
440~459kg | 1-4-2-68/75 | 1.3% | 6.7% | 9.3% | 3% | 37% |
460~479kg | 9-14-12-119/154 | 5.8% | 14.9% | 22.7% | 166% | 135% |
480~499kg | 16-10-10-116/152 | 10.5% | 17.1% | 23.7% | 67% | 59% |
500~519kg | 11-9-11-78/109 | 10.1% | 18.3% | 28.4% | 74% | 92% |
520~539kg | 6-2-0-33/41 | 14.6% | 19.5% | 19.5% | 220% | 60% |
540~ | 0-0-1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% | 0% | 14% |
勝ち星を一番連ねているのは、480~519kgの間。
基本的に馬格に恵まれやすい産駒も多いようで、その中でも大型馬は狙い。
上の項では芝もしっかり走ることをお伝えしましたが、それでも産駒が中心的に活躍を見せているのはダート戦なので、基本的には馬格が欲しいところです。
阪神1400mを除くと、1600m以上の成績が目立ちます。
特に先行有利顕著な福島ダート1700m戦では、かつては2万馬券が飛び出しています。
このコースでは勝率を見るか複勝率を見るかで、データの扱い方は変わるところですが、勝率だけ見れば他のコースよりも大きく上回っているので、しばらく注目したい条件になります。
マインドユアビスケッツの通算成績は21戦7勝。
ニューヨーク州生まれの馬として史上最も稼いだ競走馬の一頭です。
マインドユアビスケッツは、ニューヨーク州で生産。
2歳時には目立った成績を残せなかったものの、3歳以降に劇的な成長を遂げました。
2016年にアムステルダムステークス(G2)で初重賞を制し、その年のマリブステークス(G1)で初のG1タイトルを手にしました。
マインドユアビスケッツの競走馬としての真骨頂は、やはり2017年と2018年にドバイゴールデンシャヒーン(G1)を連覇したことでしょう。
国際舞台での活躍は、アメリカ国内のみならず、世界中の競馬ファンの注目を集めました。
特に2017年のレースでは、大外から驚異的な追い込みを見せ、ゴール前で他馬を圧倒する走りを披露。
その勝ちっぷりは「大外一気」という競馬ファンにとっては記憶に残る名場面となりました。
このレースで彼が発揮したスピードと最後の瞬発力は、他のトップレベルの馬たちを凌駕し、国際競馬界に彼の存在を強く印象付けました。
2018年、彼は再びドバイへ挑み、前年同様にドバイゴールデンシャヒーンを勝利。
連覇という偉業を達成したことで、短距離馬としての地位をさらに確固たるものにしました。
マインドユアビスケッツは、その圧倒的なスピード能力だけではなく、テンからのスピード一手だけで押し切ることのない戦術性にも優れていました。
マインドユアビスケッツの馬名の由来は、英語のフレーズ「Mind Your Own Business」
「自分のことに集中しなさい」や「余計なお世話だ」の意味をもじったものです。
「Business(ビジネス)」の部分を「Biscuits(ビスケット)」に置き換えて、遊び心を加えたユニークな名前になっています。
マインドユアビスケッツの血統構成は、アメリカのスピード競馬に強い影響を与えるデピュティミニスターの父系。
父ポッセは、シルバーデピュティを通じた父系のスピードとパワーを受け継いでおり、この系統は特にダートでの瞬発力と持久力に優れているのが特徴です。
また、母方にはラーイ(ブラッシンググルーム系)とオーサムアゲインという2つの世界的主流血統が内包されています。
血統的に注目すべき点は、デピュティミニスターのクロスが強く配置されていることです。
これにより、ダートでの強いスピードとパワーが強調されており、競走馬としての短距離適性が高まります。
さらに、母方に含まれるブラッシンググルームの影響は、芝でも適応可能な柔軟性を付与する要素となります。
産駒に伝わってほしい特性としては、スピードと持久力でしょう。
ここまでの産駒傾向を見ると父にはあまり似ていないというか、短距離戦で大外からズバッと差すようなタイプは出ていません。
祖父などの影響を伝えやすいのか、先行して粘ってこその産駒が目立っている印象です。
また、母系に見られる柔軟性もよく伝えるのか、予想以上に芝でも活躍馬を送り出しています。
今後もダート競馬を主戦場としつつも、芝においても適応できる馬を輩出する土壌を持っていると言えるでしょう。
母はネオユニヴァース産駒の実績馬アムールポエジー。
2歳時に全日本2歳優駿(JpnI)を制し、2023年には海外遠征でUAEダービー(G2)を優勝。
さらに、アメリカのケンタッキーダービーやブリーダーズカップ・クラシックに挑戦するなど、国際的にも注目されています。
初年度産駒から、これほどの大物が登場したことは正直驚きです。
この馬は、2024年に函館記念(G3)で見事な勝利を収め、JRA重賞初制覇を果たしました。
芝での活躍が期待されており、ダート競走に強い血統背景を持ちながらも、芝レースでも結果を残す柔軟性が特徴です。
今後も重賞戦線での活躍が期待されます。
2歳の早い時期から活躍を見せましたが、まだ伸びしろにも期待したいところです。
母父:ダイワメジャーという点と、牝馬に出ている点からも、今後も主戦場はダートになるはずです。
牝馬×ダート短距離となるとなかなか活躍の舞台が限られてしまいますが、それを跳ねのける活躍に期待しています。