このページでは種牡馬タワーオブロンドン産駒に関する成績や特徴、適性についての考察をまとめています。
ぜひ予想の参考に、最後までご覧ください。
タワーオブロンドン産駒の成績
【参考】タワーオブロンドン産駒の成績について(集計期間2024.6.2~2025.2.9)
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
全体成績 | 9-10-15-144/178 | 5.1% | 10.7% | 19.1% | 40% | 55% |
初年度から中央競馬で60頭以上の登録。
重賞でもパンジャタワーが京王杯2歳Sを制しました。
ただ全体的快調かと言うと、少し苦戦気味かなとも取れる成績になっています。
以下、タワーオブロンドン産駒の特徴について掘り下げていきます。
現状ダート成績がシブい
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝 | 7-8-14-94/123 | 5.7% | 12.2% | 23.6% | 50% | 69% |
ダート | 2-2-1-50/55 | 3.6% | 7.3% | 9.1% | 18% | 24% |
集計期間内では、芝のほうが成績としては優勢。
複勝率ベースで考えた際には少しダート成績は現状厳しさが伺えます。
回収率的にも現状としては芝のほうが、まだ安定感がありそうかなという印象です。
血統背景的には、ダートをこなせる産駒が出てきてもと思いますが、この点は繁殖次第な面もあります。
適性はマイル以下
ここまで勝利を挙げている9勝のすべてがマイル以下で1200mと1400m戦に集中しています。
タワーオブロンドン自身もスプリンターでしたので、距離適性としては短いところで活躍できる産駒を多く送り出そうと配合面としても考えられていていることでしょう。
今後もこの傾向に関しては、変わらないと思います。
重馬場適性について
★芝成績
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝/良 | 5-8-12-75/100 | 5.0% | 13.0% | 25.0% | 31% | 68% |
芝/稍重 | 1-0-0-13/14 | 7.1% | 7.1% | 7.1% | 150% | 36% |
芝/重 | 1-0-2-6/9 | 11.1% | 11.1% | 33.3% | 106% | 126% |
芝/不良 | 0-0-0-0/0 | – | – | – | – | – |
良~重になるにつれて、出走回数が大幅に減っているので、一概には言えませんが少し時計のかかる短距離戦に強いのかもしれません。
重馬場に限らず、レース後半の瞬発力勝負というよりかは、長くいい脚を使うタイプの馬が多いからこそ水を含んだ馬場でも好成績を残せるという考察をしています。
★ダート成績
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダート/良 | 0-1-1-45/47 | 0.0% | 2.1% | 4.3% | 0% | 17% |
ダート/稍重 | 1-1-0-4/6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% | 63% | 53% |
ダート/重 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
ダート/不良 | 1-0-0-0/1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 610% | 190% |
乾いたダートではなかなか結果を残せていません。
稍重と不良でここまで1勝も、芝同様にまだ出走回数も多くないので、これから吟味が必要というのが正直なところではあります。
タワーオブロンドン産駒を狙うなら
2歳早期の未勝利戦
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2戦目 | 4-0-1-13/18 | 22.2% | 22.2% | 27.8% | 165% | 46% |
2歳の6月~9月の成績かつデビュー2戦目の未勝利戦の成績は全体的に率が上昇。
単勝回収率に関しては、一頭穴を開けた存在がいたこともあり、外れ値的な扱いとして見ていただきたいとは思います。
タワーオブロンドン自身は2歳時から重賞でも活躍を見せましたが、本格化は古馬になってから。
産駒傾向としてもそれが受け継がれて、キャリアを重ねつつ上昇する馬が多いのかもしれません。
ローカル × 小回り
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ローカル × 小回り | 5-2-4-35/46 | 10.9% | 15.2% | 23.9% | 90% | 53% |
産駒は短距離が主戦となると思いますが、中でも全体時計がかかった際の活躍に期待しています。
小回りコースでは、コース形態的に前掛かりになることが多く、終いは我慢比べとなるパターンも少なくないので、そういった際にタワーオブロンドン産駒は多く台頭するかもしれません。
瞬発力やトップスピードに関しては、サンデーサイレンスやロードカナロアの要素が強めな馬に若干の劣る面があるかもしれませんが、そういった馬たちが力を出せない環境下ではチャンスが巡ってくるタイプが多いと考えています。
また日本の短距離戦線では、サンデーサイレンス持ちではなくても芝で活躍できるので、デインヒル系スプリンターを持つ繁殖との組み合わせで強い短距離馬が出てくることも個人的には楽しみにしています。
タワーオブロンドンの現役時代
主な勝ち鞍
・京王杯2歳S(2017年)
・アーリントンC(2018年)
・京王杯スプリングC(2019年)
・セントウルS(2019年)
・スプリンターズS(2019年)
2017年の7月札幌1500mにてデビュー。鮮やか逃げ切りで白星を飾ります。
続くクローバー賞では、ホッカイドウ競馬のダブルシャープにわずかに及ばずも続くききょうS、そして京王杯2Sを制覇。
朝日杯では支持を集めたものの、ダノンプレミアムとステルヴィオに及ばずの3着で2歳戦を終えました。
3歳になり、初戦のアーリントンCを快勝。
NHKマイルカップでも支持を集めましたが、伸びきれずの12着と大敗。
少しリズムを崩し気味な時期が続きましたが、軌道に乗り始めたのは4歳の春から。
D.レーン騎手とコンビを組んだ京王杯SCではレコード勝ちを飾り、北海道のスプリントシリーズでは3着、2着と好走。
秋に入りセントウルSでは再度レコード勝ちの勲章を手にして、スプリンターズSへ。
スプリンターズSでは後方に構え、直線は進路を確保するとそこから素晴らしい伸びを見せての差し切り勝ち。念願のG1タイトルを手にしました。
しかしこれが自身最後の白星となり、翌年の香港S13着を持って引退となりました。
タワーオブロンドンの血統背景
父:レイヴンズパス
母:スノーパイン
母父:ダラカニ
父のレイヴンズパスは、BCクラシックや香港のクイーンエリザベス2世Sなど芝ダート問わず中距離で活躍したミスタープロスペクター系の種牡馬。
7F~10Fと距離適性としても守備範囲が広く、いわゆる万能型とも言える名馬です。
母のスノーパインは、ドイツからの持ち込みで、現役時代は2勝の実績。
祖母がタワーオブロンドンの管理トレーナーでもある藤沢和雄調教師とも縁あるシンコウエルメスで、牝系としては欧州を中心に名馬が数多く誕生しているファミリーの一頭です。
タワーオブロンドンの種牡馬としての最大の強みは、サンデーサイレンスを有していない点。
配合幅が大変広く、かつ繁殖の質次第では芝もダートもそして距離適性としても中距離までこなせそうな産駒が出てきそうというところになります。
裏を返すと、配合に意図がないと適性がぼんやりとしてしまい、日本競馬に適応できないタイプの馬も数多く出てきてしまう可能性も否めません。
スピード能力もさることながら、終いの持久力に優れている血統構成のように見えますので、タフなレースで真価を発揮できる産駒が多く出てくることに期待しています。
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