このページでは種牡馬ホークビルの成績や特徴、今後注目の産駒についてなどをまとめています。
ホークビルは米国で誕生し、英国、愛国、独国、仏国、UAE、加国でのレースに出走。
通算成績は24戦10勝でした。
デビューから初勝利までに少し時間を要したものの、初勝利後は一気に6連勝で、3歳夏にはエクリプスS(芝約2000mGⅠ)を制覇。
完全に軌道に乗ってのGⅠ制覇でしたが、以降はなかなか勝ちきれない競馬が続きます。
4歳シーズンでは、5月にアストンパークS(GⅢ芝2400m)を制覇。
同年にはプリンセスオブウェールズ(GⅡ芝2400m)も制し、この年は重賞2勝を挙げる活躍でGⅠも2着2回で5歳シーズンへ。
年が変わり5歳となったホークビルは、UAEへ。
初戦となった3月のドバイシティオブゴールド(GⅡ芝2410m)を勝利で飾ると、月末のドバイシーマクラシックも制覇。
レースは好ダッシュを決め早い段階でハナを取ったホークビル。
そのままペースをコントロールし、ゆったりとした流れに落とし込みます。
4角、残り600m余りを残した段階でしたが、鞍上のビュイック騎手はラストスパートを仕掛けるとホークビル自身もこれに応え、まったく減速することなく先頭ゴールイン。
2400mを華麗にそして力強く逃げ切っての勝利となりました。
このレースでは日本から3頭参戦も、モズカッチャンが6着、サトノクラウンはゲート内で落ち着きを欠き7着、そしてレイデオロが4着に敗れています。
この年、ホークビルは欧州、米国と舞台を移しながら活躍できる舞台を探るも結果が残せず、ノーザンダンサーターフS8着を最後に引退となりました。
祖父のエルプラドは、サドラーズウェルズ系の中でもダートをこなす産駒も多く出していますが、
父のキトゥンズジョイは、北米の芝に対応できる産駒を多く送り出している名サイアーです。
日本の芝競走においても、ジャンダルム(母ビリーヴ)が2022年のスプリンターズSを制覇しており、日本の芝競馬においても対応できる一端を示しています。
母トレサは現役時代にロバートGディックメモリアルH(GⅢ芝2200m)で2着が主な戦績。
半弟には、ブリーダーズフューチュリティ(GⅠダ1700m)を制しているフリードロップビリーを持ちます。
4代母Ride the Trailsの牝系からはアドマイヤコジーンやオークス馬ローブデコルテが出ています。
また牝系の分枝は日本でも活躍を見せており、18年大和S優勝馬ナンチンノンもこのファミリーです。
ホークビル自身は、繋が寝気味ですし、馬体を見ても芝馬の印象を抱きますが、母系はダート色が強く、主張も強いため、この適性が産駒たちに伝わりそうな構成とも言えます。
・中央競馬では未だ勝ち星なし
・芝で卸される瞬発力勝負での分の悪さ
・成長スピードでも少し時間がかかるタイプが多い
残念ながら、中央競馬においては未だに勝ち星がありません。
繁殖牝馬の質といった問題も考えられるかもしれませんが、主な理由は以下の二つであると考えています。
日本の芝は特殊馬場で、世界から見れば超高速馬場といっても過言ではありません。
この超高速馬場というのは、時計が速いだけではなく、少し言い換えると
「道中いかに消耗を抑えて、直線をトップスピードで駆け抜けるか」
という欧州的レース質になりやすい側面があり、この争いに加わっていくには相応の瞬発力、鞍上の合図に即座に応えられる反応の良さが求めれます。
全てのレースがそうとは限りませんが、ホークビル自身が優勝したドバイシーマクラシックもビュイック騎手が早めに促していることから、あまり瞬発力には優れているタイプではないことが推察できますし、それが産駒にも伝わっている印象。
やむなしダートで使われるものの、元より芝競馬での活躍が期待されていた馬なので、砂上での追走力にも劣る面が出てしまい、なかなか勝ち切れない現状があると考えます。
これは、サドラーズウェルズ系によくみられる傾向の一つで、ホークビルにも該当しているのではないでしょうか。
先に紹介したキトゥンズジョイ産駒のジャンダルムも7歳でのスプリンターズS制覇と晩成傾向はやはり強いものと考えられます。
数を使われて、キャリアを重ねてのタイプだと思うので、馬券的にも競走馬関係者的にも我慢が必要なタイプでしょう。
・芝適性ではやはりサンデー系の補助が欲しい
・母系がガッチリダート血統なら出世する馬が出てきそう
・真の良さはサイアーとしてではなくBMSで?
日本の芝レースで結果を出すのであれば、やはり母系にサンデーサイレンス系ないしはディープインパクト系の血が欲しいところです。
それもサンデーサイレン系×ノーザンダンサー(ハービンジャー)のような終いの鋭さ特化のような繁殖牝馬との組み合わせではないとなかなか瞬発力勝負に加わることは難しそうだなと考えています。
一つ成長力は武器だと思うので、サンデーサイレンス系の中でも長めの距離をこなせるダンスインザダークやハーツクライが入ることで、芝中長距離で長く活躍できる産駒が出てくることに期待しています。
これから期待の産駒としても名前を挙げますが、昨年中央競馬で唯一健闘していたハテナビトという産駒が一ついい参考になっています。
ハテナビトは母父がサウスヴィグラス、さらに牝系を遡ってもダート特化の血統構成で、ここにホークビルが入ることで成長力や距離適性が引き延ばされているイメージ。
ここまで、素直に牝系がダート寄りであればしっかりとダートをこなす産駒が今後も出てくるでしょうし、先にも記載したように成長力はホークビル産駒の武器となるので、長く頑張れる産駒の登場に期待できます。
現状ホークビル産駒での超大物の登場…というのはなかなか難しいかもしれません。
ですが、繁殖牝馬側にホークビルの血が入った際には、サンデーサイレンス系とは幅が効きますし、キングマンボ系との組み合わせもクロスがそうキツいこともありません。
兄弟馬がGⅠや重賞を活躍し、牝系としても血統背景で記載したような活躍馬の出ている牝系です。
力のある牝系の血を引いていることは、後の世代に血を残す上でも大切な条件の一つとされていますから、母父としての将来に期待したいと思います。
・新馬戦での期待値は低いと考える
・馬券に組むのであればキャリアは最低でも3戦している馬から
・短距離戦は減点したい
これまでの成績での当たり障りのない部分になってしまいますが、やはり初戦での期待値は低いと考えて良いでしょう。
これまでの記載と重なる部分がありますが、“成長待ち”という産駒が多いので、馬券に組んでいくのであれば、ある程度キャリアを重ねている馬のほうが安定感は出そうです。
これから地方競馬で産駒が多く出てくると思いますが、新馬戦で人気を集めるようであれば取りこぼしには注意したいところ。
ホークビル自身が短距離向きの構成ではないので、短距離での期待値はこれから先も低いままでしょう。
スピードに優れているタイプは相当繫殖牝馬がスピード向きな血統ではないと出てこないと思うので、基本的に中央競馬の1400m以下では見送りでいいと思います。
中央競馬所属として現在未勝利戦3着が2連続。
牝系はダート適性を強められた構成で、母父もサウスヴィグラス。
しっかりダートで長く活躍させたいという意図を持って生産されている存在でしょう。
オーナーサイドは2歳の春先から地方競馬でどんどんと活躍できる産駒を数多く送り出していますが、ハテナビトに関しては、おそらく長い目で、古馬になってからの活躍に期待されている存在。
まずは秋口までに中央未勝利戦を突破できるかに注目です。
地方競馬川崎所属からも1頭。
5代母にはオグリキャップの母ホワイトナルビー。
そして4代母は桜花賞馬オグリローマンを持ちます。
ホークマンは1400mの新馬戦デビューも2着。
その後2連勝を飾りますが、重賞初挑戦となった若武者賞では4着に。
以降は勝ち切れない競馬が続いており、ダート3歳重賞戦線に乗れるかというと微妙なラインであるという評価が正直なところ。
序盤に好位にはつけられるものの、どうにも終いに動ける脚がないので、少し長めの距離での粘りこむ競馬が見てみたいと思っています。
格付けされてからある程度活躍はできそうです。
◆大系統‐サドラーズウェルズ系