この記事では種牡馬モーニンについて記載しています。
初年度産駒からNARダートでは、多くの勝ち星を挙げ順調な滑り出しのように見える同馬。
産駒の傾向や馬券を買う際に利用できる傾向をまとめています。
また同ブログ内では同じヘニーヒューズ産駒のアジアエクスプレスについてもまとめていますので、ぜひご覧ください!
デビューは遅くも一気に頂点へ駆け上がった現役時代
通算28戦8勝。
主な勝ち鞍は
2016年 根岸S
2016年 フェブラリーS
2018年 コリアスプリント
このほかにも日本テレビ盃、さきたま杯2着や、かしわ記念3着とダート短中距離路線で7歳まで活躍を続けました。
デビューは3歳の5月、京都ダート1400m戦。
初戦ながらも前評判が高く、その期待に応え5馬身差の快勝でキャリアをスタートさせます。
その後も勢いは止まることなく4連勝。
OPへと昇級しての初戦、武蔵野Sでは古馬相手に3着に健闘します。
年が変わり4歳シーズン。
1400mの根岸ステークスに出走。
少し出遅れるもすぐさま巻き返して好位へ。
直線では追い出しを待つ余裕もあり、ゴール前でこそタールタンが迫ってきましたがまさに完勝とも言える勝ちっぷりで重賞初制覇を飾ります。
そして迎えたフェブラリーSでも、ダッシュはそこまで速くないものの、ダートに脚元が変わってから好位まで進出。
直線に向いてからもしっかりと脚を伸ばし、最後は敢然と先頭、G1初制覇を飾りました。
以降は、なかなか勝ち切れない競馬が続くものの、ダートグレード競走に関しては堅実に駆けます。
さらに2017年の阪神カップでは結果は6着も芝のレースで上がり3Fメンバー中2位の33.7という末脚を披露。
6歳9月には韓国へ遠征。
当地の競馬にも造形の深い、藤井勘一朗騎手を背にコリアスプリントを制しました。
その後も堅実にまとめますが、7歳秋冬と芝のレースを2度使われ引退となりました。
血統背景
父のヘニーヒューズは近年の日本競馬では言わずと知れた卓越したスピードと早熟性を伝える種牡馬で、キャリアを重ねるごとに成績を落とす傾向にあります。
ストームキャット系の中で、祖父ヘネシーもスピードに優れた早熟馬でしたので、産駒は仕上がりが早く、前向きさもあり、2歳戦では大きなアドバンテージを取れる馬も少なくありません。
モーニンに関しても、デビューこそ遅くなりましたが、初出走の時点からかなり完成度を誇っており、デビューから1年足らずでG1制覇は、このヘニーヒューズの血を強く引いているからこそ。
しかし、先にも書いたように多くのヘニーヒューズ産駒はキャリアや年齢を重ねるごとにパフォーマンスを落とす傾向にありますが、モーニンに関しては例外。
7歳まで活躍を続けることができたのは、牝系由来。
母母父のコジーンは、成長力を伝える種牡馬であり、この存在がモーニンを7歳まで活躍させた立役者なのではないかと見ています。
モーニン産駒のこれまでの傾向
【参考】モーニン産駒のこれまでの成績
(集計期間:2023.6.11~2024.3.1)
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
6.1% | 15.2% | 22.2% | 15% | 73% |
・2歳戦の早い時期のダート戦であってもベタ買いでは儲からない
・意外にも全3勝のうち2勝がダ1800m
・人気を集めた際にはキッチリ結果を出している
イメージ先行注意!1200m戦の成績は奮っていない
◆1200m戦(芝ダ含む)
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
0.0% | 8.3% | 12.5% | 0% | 58% |
福島のダ1150m戦では勝ち星があるものの、1200m戦に至っては、一番数を使われているのに中央競馬でまだ勝ち星がありません。
1200m戦で狙う際は、しっかりとメンバー比較をして、能力を発揮しやすい状況にあるか否かをよく確認する必要がありそうです。
意外にも全3勝のうち2勝がダ1800m
モーニン自身が現役時代1800mではさすがに距離が長いのかなという走りをしていただけに、初年度産駒で1800mでも対応できる馬が出てきたことは意外な傾向。
しかし、この舞台で結果を残した産駒の牝系は、いずれも中距離や長距離にも対応できそうな構成であることから、母馬の影響を受けて距離延長に対応できている形。
ヘネシー系は強い遺伝力があるのかなと思う一方で、モーニンに関してはもう少し吟味する余地がありそうです。
人気を集めた際にはキッチリ結果を出している
昨年中、中央競馬で1番人気の支持を集めた際の成績は
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
62.5% | 75.0% | 75.0% | 158% | 97% |
サンプル数が少ないということもありますが、現状はかなり安定的で優秀。
父ヘニーヒューズも条件戦で人気を集めた際の成績は良いので、この傾向が今後も続くのかは、注目のポイントです。
これから考えられるモーニン産駒の傾向
・ヘニーヒューズとの比較ではキャリアを重ねるごとの消耗が緩やか
・直線坂のあるコースよりかは平坦向き?
・やはり期待すべきはダート短距離のスペシャリストの登場
ヘニーヒューズとの比較ではキャリアを重ねるごとの消耗が緩やか
晩成傾向までとは言えませんが、ガッツリ早熟傾向のヘニーヒューズとの比較では、成長曲線としては緩やかと見ています。
ヘニーヒューズの場合は古馬になり出走数を重ねてくると明らかに成績を落とす傾向にありましたが、モーニン産駒に関しては、コジーンの影響が産駒にも多少なり効いてくれば、長い活躍のできる産駒が出てきても全く驚きません。
直線坂のあるコースよりかは平坦向き?
ヘネシー系あるいはフォーティナイナーの影響を強く受け、レースの流れにはある程度乗せていきたいタイプがほとんどでしょう。
最後の直線コースは平坦で、減速要素が少ない方がいいだろうというセオリーな考えからの推理です。
ダート競馬では、基本的に「先行有利」は明白なので、その上で負荷のかからず、直線も短いコースでの成績は今後上がってくるのではと見ています。
やはり期待すべきはダート短距離のスペシャリストの登場
テン良し、中良し、終い良しのダートスプリンターの登場に期待したいところ。
生産者サイドもモーニンの特性は充分に理解できているはずなので、その良さをさらに伸ばすような血統構成の馬が多く出てくると思います。
サンデーサイレンス系との組み合わせにも幅広く対応できるので、特にダイワメジャーのような力感のある血を引いている繁殖との相性は良いかもしれません。
モーニン産駒の馬券を買う際のヒント(2024年1月末までのデータから)
・脚抜きの良い馬場での穴激走はありそう
・馬格のある馬(500kg以上)を狙おう
脚抜きの良い馬場での穴激走はありそう
現状に関しては
◆ダート「重」「不良」成績
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
16.7% | 27.8% | 27.8% | 47% | 44% |
そこまで成績が馬券的に美味しくないですし、結果が出ているわけではありませんが、これを逆にチャンスと見て、ダート重、不良での穴激走に期待します。
脚抜きの良いダートコンディションというのは、モーニンが現役時代得意とするコンディションでした。
加えて、これまで勝ち上がっている産駒傾向からしても徹底先行型が多いことから脚質的にも嚙み合うものがあるはず。
ダートにおいて馬場が湿っていて、前で競馬ができそうな際には、人気薄でも注意。
一年後にこの数値が大幅に上昇していることに期待します。
馬格のある馬(500kg以上)を狙おう
これまで中央競馬で勝ち星を挙げているのは、いずれも460kg以上の馬体重、ある程度の馬格を有した馬になります。
中でも500kgを超える馬の成績は
勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
30.8% | 46.2% | 53.8% | 80% | 214% |
と安定的。
モーニン産駒を狙う際のヒントとして今後も有力そうなデータです。
今後注目のモーニン産駒
ブルーサン
昨年の7月中京芝1600m戦でデビュー。
3戦目の小倉の芝1800m戦で掲示板に乗るも、この後からダートへシフト。
ダートでの成績はこれまで5戦2勝2着2回とかなり安定した走りぶりで3歳OPへ昇級を決めています。
先行してこそ良さが出るタイプで、これからは先行しつつも番手受けが可能なのか、前に馬を置いても我慢が効くのかが、一つ注目のポイントになります。
祖母のネオカラーからは東京スプリントなど、ダート古馬短距離重賞で活躍のリュウノユキナが。
曽祖母のナギサは、自身もオープンまで出世し、仔にはTCK女王盃を制したサウンドザビーチ。
そのサウンドザビーチからは東海S3着のスマハマが出ており、ダートで飛躍の下地は十分。
時計の出やすいコンディションだったとはいえ、1勝クラス突破時の時計が京都1800m1:50.0と大変優秀なのも頷けます。
雲取賞においても、馬場が変わった大井の1800m戦を力強く逃げ切り。
ここでの時計はさほど強調できませんが、3歳ダート戦線においてフォーエバーヤングを横綱と考えれば、大関枠まで一気に昇進した印象があります。
ファイアーウィップ
デビュー戦、3着。
好位で流れに乗れたものの、コーナーで逆手前、4角直線入り口で大きく外に膨れながらも3着は確保。
その幼い面が抜けてくれば、未勝利突破はできそうな素質があると見ます。
祖母のクバターは、アルゼンチン産馬でサンイシドロ2歳牝馬大賞(GⅠダ1600m)を制覇ほか、
コパデプラタインテルナシオナル(GⅠダ2000m)2着
エンリケアセバル大賞(GⅠダ2000m)2着
というダートの活躍馬。
兄弟馬もダート適性のある種牡馬との配合で、軒並みダート馬です。
ミヤギヴァリアント
岩手競馬、菅原勲厩舎所属のこの馬も今年注目の一頭としてあげたいと思います。
同馬は、6月の水沢戦で(850m)デビュー。
2戦目こそ、昨年の岩手競馬2歳大将格フジユージーンに1.2秒離されての2着も、走破時計1:27.3は2歳夏の時期しては破格。
その後は若鮎賞に駒を進め、3番手から難なく抜け出し大差圧勝。
手綱を取った村上忍騎手も
「距離延長にも対応できるし、かなりの素質を秘めていると思う」とこの馬の走りを評価しています。
その後、現在は退廐しているという情報までしか入っていない
ので、分かり次第また更新をしたいと思います。
モーニンの関連馬
◆父馬
◆ヘニーヒューズ産駒
コメント