中山競馬場の特徴は芝の8枠とダートの1枠|施行コースの傾向・血統データ


中山競馬場は直線310m・高低差5.3m(JRA最大)という、JRAで最も窮屈でタフなコースです。

ゴール前の急坂を含め、この条件は施行コースすべてに共通しています。

ところが枠番を1枠から8枠まで切り分けて施行コースを並べると、芝とダートで沈む枠が正反対でした。

同じ競馬場なのに、芝を見る目でダートを見ると外します。

この記事でわかること

  • 芝は8枠が沈む。芝1600m・1800m・2000mはいずれも8枠が最低
  • ダートは1枠が沈む。ダート1200m・1800mとも1枠が最低で8枠が最高
  • 4角10番手以下の複勝率は9コースすべてで3.0〜7.5%。後方待機はどこでも苦しい
  • 複勝回収率100%超は3セルあるが、最高配当1本を抜いて残るのはダート2400mの1枠だけ
  • 1番人気が最も堅いのは芝2500m(勝率40.6%)、最も飛ぶのは芝1800m(26.0%)

中山競馬場の基本データ

コース 1周 直線 高低差
芝・外回り 1,839.7m 310.0m 5.3m
芝・内回り 1,667.1m 310.0m 5.3m
ダート 1,493m 308.0m 4.5m

右回り。

高低差5.3mはJRA10場で最大で、残り約180mから2.2mを一気に上る急坂がゴール前に待っています。

注意したいのは、中山は内回りと外回りで直線が変わらない(どちらも310.0m)点です。

新潟や京都のように「外回りだから差しが届く」という読み替えは中山では通用しません。

内外の違いは1周距離とコーナーの緩急だけです。

枠番別の複勝率|芝は8枠が沈み、ダートは1枠が沈む

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・枠番別の複勝率(各コースの最高を橙、最低を赤)
コース 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠 7枠 8枠
芝1200m 24.5% 24.1% 25.1% 24.3% 22.0% 14.1% 22.5% 16.3%
芝1600m 24.3% 21.1% 25.7% 25.9% 21.8% 19.2% 17.1% 16.8%
芝1800m 23.7% 25.9% 20.9% 25.6% 20.2% 25.0% 23.8% 17.0%
芝2000m 23.8% 22.2% 22.6% 20.8% 23.3% 22.3% 21.6% 14.4%
芝2200m 21.3% 24.4% 21.2% 20.7% 14.7% 20.8% 22.3% 18.8%
芝2500m 28.9% 26.2% 16.7% 27.1% 24.5% 24.6% 13.1% 29.0%
ダ1200m 14.4% 17.2% 18.0% 18.6% 19.1% 22.2% 22.0% 23.3%
ダ1800m 16.3% 17.7% 17.1% 22.7% 19.5% 21.6% 23.3% 25.5%
ダ2400m 39.0% 12.2% 20.9% 19.6% 18.4% 17.0% 20.8% 25.0%

芝を縦に見ると、芝1600m(16.8%)・芝1800m(17.0%)・芝2000m(14.4%)はいずれも8枠が最低でした。

直線310mでは、外を回らされた距離ロスを取り返す場所がありません。

ダートは正反対です。

ダート1200mは1枠14.4%から8枠23.3%、ダート1800mは1枠16.3%から8枠25.5%と、外に行くほどきれいに上がっていきます。

砂を被る内が嫌われるうえ、ダート1200mは芝からスタートするため外枠のほうがスピードに乗せやすいからです。

この2コースだけで中山ダートの755レース中の大半を占めます。

中山のダートは「1枠を割り引く」から入ると精度が上がります。

枠番別の複勝回収率|100%超えの3セルを最高配当1本で検算する

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・枠番別の複勝回収率(橙=100%以上。§11-23の検算は本文)
コース 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠 7枠 8枠
芝1200m 84% 63% 81% 73% 70% 44% 72% 87%
芝1600m 80% 85% 71% 72% 63% 58% 52% 70%
芝1800m 71% 84% 56% 73% 44% 81% 72% 61%
芝2000m 86% 68% 84% 50% 67% 98% 74% 42%
芝2200m 61% 77% 63% 47% 28% 44% 86% 142%
芝2500m 98% 59% 35% 70% 74% 49% 29% 115%
ダ1200m 57% 62% 65% 60% 63% 84% 90% 75%
ダ1800m 62% 65% 58% 76% 76% 66% 75% 81%
ダ2400m 147% 60% 63% 73% 48% 39% 67% 56%

複勝回収率が100%を超えたのは芝2200mの8枠(142%)・芝2500mの8枠(115%)・ダート2400mの1枠(147%)の3セルです。

ただしこの3つは、最高配当の1走を抜いて計算し直すと2つが100%を割ります

芝2200mの8枠は、2025年3月2日の未勝利戦でムーンストラック(414.1倍・17番人気)が複勝6150円をつけた1走だけで、複勝配当合計の37.1%を占めていました。

この1走を除くと142%が90%まで落ちます。

延べ117頭を集めても、その1頭を外した残り全部では回収できていないということです。

芝2500mの8枠も同じ形です。

2025年4月6日の2勝クラス(安房特H)でバレンタインガール(174.4倍・12番人気)が複勝2800円をつけた1走が39.3%を占め、これを除くと115%が71%まで落ちます。

つまり「距離が延びた芝の8枠は人気を落としすぎている」とは言えません

表では2セルに100%超の色が付いていますが、8枠から入る根拠にはならないと見たほうが安全です。

芝2500mの8枠は複勝率29.0%とその行で最も高く、走ること自体は確かです。

それでも配当の裏づけが1走しかない以上、「走るが妙味はない」と整理するのが実態に近いはずです。

3セルのうち唯一残ったのがダート2400mの1枠(147%)でした。

最高配当は2024年4月6日の1勝クラスでジョータルマエ(37.2倍・12番人気)が複勝1080円をつけた1走ですが、占有率は17.9%にとどまり、この1走を除いても124%を保ちます

複勝率も1枠が39.0%で、枠別複勝率の表で最も高いセルです。

ただし延べ41頭・27レースと母数は薄いので、単独の根拠にはせず先行力とセットで見てください。

逆に芝2000mの8枠は複勝率14.4%・回収率42%と、どちらから見ても買えません。

高配当1本を取り除いてしまえば、中山の芝は距離が延びても8枠を買う理由が見当たらないという一本の結論に落ち着きます。

4角の位置取り|中山はどのコースでも後方待機が届かない

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・4角通過順別の複勝率
コース レース数 4角1番手 4角2〜4番手 4角5〜9番手 4角10番手以下
芝1200m 101R 51.5% 37.3% 20.2% 3.3%
芝1600m 193R 44.0% 39.0% 19.0% 4.0%
芝1800m 100R 47.0% 38.4% 18.2% 5.9%
芝2000m 153R 48.7% 36.0% 20.5% 4.2%
芝2200m 51R 47.1% 40.6% 18.0% 3.7%
芝2500m 32R 46.9% 33.9% 20.8% 7.5%
ダ1200m 365R 53.2% 39.8% 15.5% 5.1%
ダ1800m 390R 61.2% 41.6% 15.2% 3.0%
ダ2400m 27R 59.3% 41.8% 14.1% 4.2%

4角で10番手以下だった馬の複勝率は、9コース全部で3.0〜7.5%に収まりました。

直線310mと急坂の組み合わせは、後ろから来る脚を使い切らせません。

とくにダート1800mは4角先頭の複勝率61.2%と中山で最も高く、390レースという十分な母数があります。

中山ダート1800mで先行馬を軽視するのは、それだけで大きな取りこぼしになります。

逆に芝2500mは4角5〜9番手20.8%・10番手以下7.5%と、中山では相対的に後ろから届くほうです。

1周半を回るぶんペースが緩みにくく、隊列が動くためです。

中山の1番人気はどこまで信頼できるか

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・1番人気の信頼度
コース レース数 1番人気 勝率 1番人気 複勝率
芝1200m 101R 29.0% 59.0%
芝1600m 193R 32.6% 65.8%
芝1800m 100R 26.0% 64.0%
芝2000m 153R 35.9% 69.3%
芝2200m 51R 33.3% 72.5%
芝2500m 32R 40.6% 65.6%
ダ1200m 365R 36.5% 67.8%
ダ1800m 390R 36.5% 66.6%
ダ2400m 27R 37.0% 55.6%

芝2500m(勝率40.6%)が最も堅く、芝1800m(26.0%)が最も飛びます

同じ芝の中距離でも14.6ポイントの差があります。

中山芝1800mは外回りをコーナー4回で回るため、位置取りひとつで結果が変わります。

人気馬が外を回されただけで沈むので、ここは1番人気を軸に固定しないほうが妙味が出ます

中山競馬場で買える種牡馬|芝

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・種牡馬別(芝のみ/障害を除く)
種牡馬 着別度数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
キズナ 38-26-26-217/307 12.4% 29.3% 91% 75%
キタサンブラック 30-18-13-127/188 16.0% 32.4% 91% 83%
モーリス 28-20-20-217/285 9.8% 23.9% 52% 63%
エピファネイア 28-26-37-235/326 8.6% 27.9% 54% 66%
ロードカナロア 25-33-21-202/281 8.9% 28.1% 51% 68%
レイデオロ 25-23-16-148/212 11.8% 30.2% 86% 81%
シルバーステート 18-32-19-192/261 6.9% 26.4% 62% 89%
ドゥラメンテ 17-24-23-155/219 7.8% 29.2% 127% 78%

芝で成績と妙味が噛み合っているのはキタサンブラックです。

勝率16.0%・複勝率32.4%はこの表の最高値で、単勝回収率91%・複勝回収率83%と取りこぼしも小さい。

急坂を上りきるパワーが問われる中山と噛み合っています。

表で唯一100%を超えているのはドゥラメンテの単勝回収率127%ですが、これは1走が作った数字です。

2024年9月15日の芝1800m・3勝クラス(レインH)でギャラクシーナイト(160.6倍・14番人気)を勝たせた1走が単勝配当の57.9%を占めており、この1走を除くと127%が54%まで落ちます。

表では橙が付いていますが、額面どおりには受け取れません。

芝はむしろ「走るのに人気になりすぎる」血統が目立ちます。

ロードカナロア(単51%)・モーリス(同52%)・エピファネイア(同54%)は複勝率23.9〜28.1%と走っているのに、単勝回収率が50%台まで沈みました。

地味なのはシルバーステートです。

勝率6.9%と見栄えはしませんが、複勝回収率89%は芝の表で最も高く、複勝で拾うぶんには損をしにくい血統です。

中山競馬場で買える種牡馬|ダート

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・種牡馬別(ダートのみ/障害を除く)
種牡馬 着別度数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ドレフォン 32-32-40-284/388 8.2% 26.8% 60% 77%
ヘニーヒューズ 29-19-29-214/291 10.0% 26.5% 49% 54%
ロードカナロア 27-17-18-198/260 10.4% 23.8% 98% 77%
ルヴァンスレーヴ 27-23-20-110/180 15.0% 38.9% 95% 93%
ナダル 22-13-14-54/103 21.4% 47.6% 98% 82%
シニスターミニスター 20-22-15-174/231 8.7% 24.7% 68% 63%
ホッコータルマエ 20-22-21-207/270 7.4% 23.3% 72% 87%
ニューイヤーズデイ 20-12-16-128/176 11.4% 27.3% 49% 66%

顔ぶれはほぼ総入れ替えになります。

芝の表に載った8頭のうち、ダートの表にも残るのはロードカナロアだけです。

そのロードカナロアが面によってまるで違います。

芝は勝率8.9%・単勝回収率51%なのに、ダートは勝率10.4%・単勝回収率98%

同じ血統でも、中山では芝で買うと損をしてダートで拾えるということです。

数字が最も強いのはナダル(勝率21.4%・複勝率47.6%)とルヴァンスレーヴ(同15.0%・38.9%)です。

とくにルヴァンスレーヴは単勝回収率95%・複勝回収率93%と、勝ちきる血統でありながら人気に食われる度合いが小さいのが利点です。

逆に最多出走のドレフォン(388走)は複勝率26.8%・単勝回収率60%と平凡で、ヘニーヒューズ(単49%・複54%)とニューイヤーズデイ(単49%)はこの表で最も割に合いません。

なおダートの表には単勝・複勝とも100%を超える種牡馬が1頭もいません

中山のダートは、血統で妙味を取りに行く場所ではないということです。

中山競馬場で買える騎手

集計期間:2023.7.29〜2026.7.19/中山・騎手別(芝ダート合計/障害を除く)
騎手 着別度数 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
戸崎圭太 141-106-82-435/764 18.5% 43.1% 79% 83%
横山武史 121-84-86-446/737 16.4% 39.5% 61% 77%
ルメール 115-73-63-169/420 27.4% 59.8% 73% 83%
横山和生 61-51-50-415/577 10.6% 28.1% 98% 77%
丹内祐次 55-61-45-571/732 7.5% 22.0% 98% 66%
津村明秀 53-64-49-467/633 8.4% 26.2% 73% 70%
菅原明良 53-48-71-515/687 7.7% 25.0% 61% 69%
三浦皇成 50-63-48-389/550 9.1% 29.3% 103% 79%

ルメールが勝率27.4%・複勝率59.8%と別格ですが、単勝回収率は73%で妙味はありません。

買うべきは複勝側です。

回収率で見ると三浦皇成の単勝回収率103%が唯一の100%超えです。

そしてここは、外れ値検査を通しても崩れませんでした。

最高配当は2024年11月30日の芝1200m・新馬戦でヴィヴァラリス(58.3倍・11番人気)を勝たせた1走ですが、単勝配当に占める割合は10.3%にとどまり、この1走を除いても93%を保ちます。

厳密には100%をわずかに割りますが、550回騎乗して大穴1本に頼っていないという点が重要です。

勝率9.1%と目立たないぶん、人気を落としたときに拾える騎手として覚えておく価値があります。

中山競馬場のコース別記事

ここまでは9コースを横に並べた比較です。

各コースの脚質・枠順・血統・前走条件までの掘り下げは、下の個別記事にまとめています。

芝3600m(3年で3レース)とダート2500m(同3レース)は母数が薄すぎるため、この記事の横断比較からは除外しています。

まとめ

  • 芝は8枠を割り引き、ダートは1枠を割り引く。中山は芝ダートで枠の見方が逆
  • 芝2200m・2500mの8枠の142%・115%は買い材料にならない。最高配当1本を除くと90%・71%
  • 1本を除いても残る妙味はダート2400mの1枠だけ(147%→124%)。ただし27レースと母数は薄い
  • 後方待機はどのコースでも届かない(4角10番手以下の複勝率3.0〜7.5%)
  • ダート1800mの4角先頭は複勝率61.2%。先行馬を軽視しない
  • 芝1800mの1番人気は勝率26.0%。ここだけは軸を疑う
  • 種牡馬は芝がキタサンブラック、ダートはナダルとルヴァンスレーヴ。ドゥラメンテの単勝127%は1走依存
  • 騎手は三浦皇成。単勝103%は1本を除いても93%で、大穴頼みではない
Tokuma

競馬とは物心ついた頃からの縁があり、 今は血統と展開読みに魅せられた人 有益な情報を鋭意発信していきます!