このページでは種牡馬スワーヴリチャードの産駒成績に関する考察や馬券に役立てるヒントについて書いています。
これまでの産駒傾向
【参考】スワーヴリチャードの産駒のこれまでの産駒成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
48-42-43-312/445 | 10.8% | 20.2% | 29.9% | 74% | 77% |
・活躍はダートより断然芝
・勝ち星の約7割が芝1600m~2000m
・大物は牝馬から?
これまでの勝ち星では、8割以上が芝で挙げたものになります。
今年の春先までは、芝のレースでは単勝ベタ買いでもプラスという成績でしたが、さすがにそのバブルは終了した印象。
スワーヴリチャード自身が東京芝2400mで活躍していたイメージから、繁殖牝馬はその良さを活かしつつも、素軽さや、タメを作って終いの鋭さを補うような形の馬が多いイメージです。
ダートで勝ち上がっている産駒は、母系の主張が強いタイプ(サウスヴィグラスやジャイアンツコーズウェイ)です。
勝ち星の約7割が1600~2000であることは、2歳番組の選択肢の少なさも関係がありますが、力感のある産駒が多いことから今後もマイルから2000mまでが得意なところと見ています。
初年度産駒の重賞制覇はコラソンビートとレガレイラといずれも牝馬。
先に書いたように、牝馬に出ることで素軽さや敏捷性に優れた産駒が多く出るようで、少し重ためな欧州血統との組み合わせでもトップスピードに優れた優駿が今後出てきそうです。
これから考えられる傾向
ハーツクライの正当後継へ
なんと種付け料は
2023年200万
→2024年1500万へ
初年度から重賞勝ち馬、もといGⅠ馬を送り出し、さらには産駒の勝ち上がり率、勝利数ともに優秀であるため少しやりすぎな感もあるにせよ、納得はできる評価。
ここまでの値上げが進むと、繁殖の質も担保されるため、今後安定して勝ち星を量産し、2歳、3歳、古馬戦線それぞれに活躍馬が出てくることは約束されたもののよう。
個人的には母父ハービンジャーとの組み合わせにかなり期待を寄せています。
既にGⅠを制したレガレイラや、京成杯で好走したアーバンシックがこの形ですが、ハービンジャーの切れ味を存分に活かせる産駒が多く出てくると見ています。
長い活躍ができる産駒の登場に期待
母父のUnbridled’s Songが効いて、米国色の強い馬との組み合わせでは、母系の良さを活かせそうな構成にもなるでしょう。
仕上がり早でありながらもハーツクライの成長力も効いてくれば、2歳から古馬シーズンまで長く活躍のできるダート馬の登場もあり得ます。
しかし当分の間は、日本ダービーやオークスを獲るための繁殖が用意されると思うので、芝レースにおける得意・不得意を探っていく方が馬券的には効果的だと思います。
スワーヴリチャード産駒の買い条件
芝×外枠(6~8枠)×1番人気
まずは芝の外枠に入った際の1番人気馬が成績は抜群というデータから。
◆芝×外枠(6~8枠)×1番人気
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 12-6-0-5/23 | 52.2% | 78.3% | 78.3% | 113% | 93% |
これは前回更新時(3月)よりも、単勝回収率が上昇しています。
今後出走回数が増えていくとこの数字は下がっていってしまうとは思いますが、現状この数字は驚異的です!
東京芝1600~2000m
二つ目は、東京芝コースのマイルから2000mまでの馬券率の高いということです。
◆東京芝×1600~2000m
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
9-6-7-26/48 | 18.8% | 31.3% | 45.8% | 103% | 115% |
この他にも外回りコースとの相性の良さ、さらには札幌芝コースの2歳戦は、連対率7割をマークしていたので、今年も注目の条件です。
牡馬×中山芝1600m
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|
5-0-0-4/9 | 55.6% | 55.6% | 55.6% | 191% | 71% |
ピンかパーかつサンプル数も少ないデータですが、中山コースは全般として牡馬が中心的に結果を残している現状にあります。
スワーヴリチャード産駒との好相性騎手
騎手名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ルメール | 7-3-2-12/24 | 29.2% | 41.7% | 50.0% | 67% | 55% |
横山武史 | 5-3-3-5/16 | 31.3% | 50.0% | 68.8% | 108% | 98% |
戸崎圭太 | 5-2-2-12/21 | 23.8% | 33.3% | 42.9% | 101% | 66% |
武豊 | 5-2-0-6/13 | 38.5% | 53.8% | 53.8% | 147% | 103% |
鮫島克駿 | 3-0-1-5/9 | 33.3% | 33.3% | 44.4% | 1304% | 136% |
スワーヴリチャードの現役時代
通算成績は19戦6勝。
ハーツクライ産駒に勢いが出てきた2014年。
この年の3歳世代では牡馬ではワンアンドオンリーが日本ダービーを。
牝馬ではヌーヴォレコルトがオークスを制した影響もあり、スワーヴリチャードは当歳セールで、当時のハーツクライ産駒の最高価格である1億5500万円で落札されました。
高馬、そして兄弟馬も安定して走る上に自身もデビュー前から動きを評価されていた評判馬であったため、2016年9月の新馬戦では圧倒的な支持を集めたものの、僅差2着。
2戦目には単勝オッズ1.1倍の支持に応え初勝利。
そして3歳初戦となった共同通信杯で重賞初制覇。
クラシック戦線に本格的に名乗りを上げることになります。
しかし皐月賞では、道中ポジションを悪くしてしまい差し届かずの6着。
雪辱を誓った日本ダービーでは、レイデオロとルメール騎手のファインプレーに戴冠を阻まれ2着に。
秋からはデムーロ騎手を新鞍上に迎え、秋初戦、そして古馬との初対戦となったアルゼンチン共和国杯で1着となります。
自身が古馬になってからは金鯱賞、大阪杯と連勝。
苦手と言われていた右周りを克服し、大阪杯では念願のGⅠ初勝利。
以降はマイルから中長距離と広い舞台で善戦を重ねたスワーヴリチャード。
5歳に入り、少し陰りが見えてきたかなという中で、秋にはマーフィー騎手とのコンビで荒れた府中の馬場を堂々駆け抜け、ジャパンカップを制覇。
次走の有馬記念を最後に引退となりました。
スワーヴリチャードの血統背景
父ハーツクライは、サンデーサイレンス系の中でも著しい「成長力」を伝える種牡馬。
産駒も年齢を重ねてから覚醒したかのように本格化をする産駒が多く見られます。
一方で、ダービーやオークスまでに仕上がり切らない傾向もあり、スワーヴリチャードに関しては、その面を仕上がりの早さとトップスピードを母父Unbridled’s Songで補完した形。
サンデー系×Unbridled’s Songは日本で成功している形で、同馬の他にも
3冠馬コントレイル、菊花賞馬トーホウジャッカル、近年ではジャックドールなど活躍馬多数。
祖母のキャリアコネクションは、現役時代米国の1200mと1300mのGⅡを2勝。
BCジュヴェナイルフィリーズ2着。
兄弟馬には、OP馬バンドワゴンやエマノンなど、堅実に走る産駒が多く、スワーヴリチャード自身も精神的に安定していた印象です。
ハーツクライ産駒の後継としては、これまではジャスタウェイが筆頭でした。
しかし、シュヴァルグランが今年巻き返さない以上は、来年以降で早くもこの馬がハーツクライの後継の軸になりそうです。
今後期待の産駒
レガレイラ
昨年のホープフルS優勝馬。
曾祖母にはウインドインハーヘアを持ち、5代母ハイクレアからなる名牝系。
ロカはクイーンステークス3着の後、思うような結果を残すことができませんでしたが、現役時代はかなり毛ヅヤが綺麗な馬という印象でした。
牝系は欧州色が強めで重たい印象で、ここにスワーヴリチャードが配されることで素軽さと仕上がりの早さが補完され、更に実馬はハービンジャーの瞬発力、鋭さが強く出ています。
ホープフルステークスでは追い出しを待たされることになったものの、大外に出してからは凄まじいキレ味で先行馬をシンエンペラー以下をまとめて差し切って優勝。
構成からも、そしてルメール騎手からの談話にもあるようにこれから距離が延びてさらに良さが出てきそうなタイプ。
コラソンビート
新馬戦は、後に年内通して優秀と呼ばれたボンドガール組。
ここでは3着であったものの、そこからは快進撃。
3連勝で京王杯2歳Sをレコード決着で制します。
迎えた暮れの阪神JFでは坂を上ってからやや末脚が鈍り3着に。
若干距離の壁も感じる内容に見えたので、春以降どのように立ち回るのかが注目です。
血統的にはマイルや2000mもこなせても、と感じますが、コラソンビート自身が小気味良い走りをする馬なので、その分距離の適性に関しては短めにでているのかなと考えます。
余談ですが、このボンドガール組は既に8着だったガジュノリまで勝ち上がっているので、改めて驚異のハイレベルな新馬戦であったことを証明していると思います。
アーバンシック
京成杯2着馬。
この馬もレガレイラ同様ハイクレア牝系の一頭で、ウインドインハーヘアを経由しています。
更には母父にハービンジャーを配しているところもレガレイラと同様で、2頭はいとこ同士で同血の形。
アーバンシックもレガレイラ同様に終いのキレ味に長けているタイプで、京成杯でもまさしくその形。
これまでのキャリアの中では2戦目の百日草賞の内容が秀逸。
ただレガレイラとの比較では、まだ完成度の面で少し時間がかかりそうな印象。
精神的な成長が伴ってくれば、今後OPでも楽しみな存在です。
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