この記事では、種牡馬ウインブライト産駒に関する、特徴や適性を中心にご紹介しています。
予想の参考や、ウインブライト産駒の今後の傾向に関する考察についてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
ウインブライト産駒の成績について
【参考】ウインブライト産駒の成績について(集計期間:2024.6.1~2025.2.9)
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
全体成績 | 5-5-16-152/178 | 2.8% | 5.6% | 14.6% | 56% | 73% |
現3歳世代の登録は約60頭であることを思うと少し勝ち星は寂しいように映ります。
だからこそ馬券的にはチャンスが落ちているという考え方もできますので、ここからはウインブライト産駒に関する考察を深めていきます。
芝>ダート という見方
ステイゴールド系の一つの傾向としては、ダートがそれほど得意なのかと言われると微妙なところがあります。
砂をかぶると嫌気が差してレースに参加する気がなくなってしまったり、そもそも気まぐれ屋さんだったりと…。
オルフェーヴルは、ウシュバテソーロやマルシュロレーヌのようにダートでもバッチリ行けるという馬も送り出していますが、ちょっとこの2頭は例外的。
ウインブライトは、イメージとしてゴールドシップ産駒の距離適性を少し短くした感じで、芝ダートにおける巧拙を考えると、やはり芝でのほうが本領舞台なのかなと考察しています。
1800m戦で3勝
1200m戦でも勝ち星がありますが、やはり基本的にはちょっと距離がほしいところ。
特にウインブライト自身が中山1800mとシャティン2000mの鬼だったことを考えると、産駒としてもそれくらいの距離適性を考えて配合を考えるではず。
今後も中距離を中心に活躍できる産駒が多く出てくると思います。
全体として少し時間がかかりそう
ウインブライトも、主戦だった松岡正海騎手や陣営から2歳時より素質をかなり高く評価されていました。
ですが、初勝利までには3戦かかっています。
ダービー出走時点でもまだまだ完成度としては、高いものではないとの評の馬で、大切に使われつつ着実に力をつけていった現役時代でした。
ステイゴールド系に共通していえるのは、この晩成傾向で、どうしても2歳時からバリバリというよりかは、時間をかけつつ着実に力をつけていく産駒のほうが目立ちます。
ウインブライト産駒もきっとこの例に漏れず、使われつつ徐々に力をつけて古馬になって完成するタイプの馬が多く出てくることが予想されます。
ウインブライト産駒で狙いたい条件
未勝利 × 2戦目~4戦目
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
未勝利 × 2戦目~4戦目 | 5-4-8-77/94 | 5.3% | 9.6% | 18.1% | 107% | 110% |
上の項でも書いたように、ウインブライト産駒は勝ち上がりまでに少し時間がかかりそうなタイプが多そうで、初年度から新馬戦白星という馬はいませんでした。
使われつつ競馬を覚えて、成績的にも上昇傾向にある産駒というのが今後も特徴の一つになるでしょう。
ただウインの冠名を持つ馬に関しては、育成場が新たに作られたということもあり、2年目以降は早期から活躍できる産駒も出てくるかもしれませんが血統的には時間をかけつつという馬がほとんどになるのかなと考えています。
北海道シリーズでの活躍に期待
競馬場 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 1-0-4-6/11 | 9.1% | 9.1% | 45.5% | 107% | 120% |
函館 | 1-0-3-2/6 | 16.7% | 16.7% | 66.7% | 51% | 121% |
小回り×洋芝の舞台では初年度から適性の高さを伺わせました。
この他にも福島で爆発的な穴馬が台頭したりと父同様に、小回りでは良い活躍ができる産駒が今後たくさん出てきそうな気配があります(ウインブライト自身は中山の鬼でもありましたが)。
ローカル開催では、芝が荒れると分かりやすくゴールドシップ産駒が爆走を始めますが、連れてウインブライト産駒の台頭も、考えられます。
重馬場適性については…
★芝成績
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
芝/良 | 4-5-12-118/139 | 2.9% | 6.5% | 15.1% | 69% | 81% |
芝/稍重 | 0-0-0-15/15 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
芝/重 | 0-0-1-2/3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 236% |
芝/不良 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
★ダート成績
条件 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ダート/良 | 1-0-0-14/15 | 6.7% | 6.7% | 6.7% | 30% | 11% |
ダート/稍重 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
ダート/重 | 0-0-3-1/4 | 0.0% | 0.0% | 75.0% | 0% | 207% |
ダート/不良 | 0-0-0-0/0 | – | – | – | – | – |
正直芝もダートもまだデータサンプルがほとんどない状態ですので、なんとも言い切ることができません。
ただ、ダートの重では既に3着が3回と、脚抜きの良いダートでは、また良馬場時とは違う走りをするのかもしれません。
ウインブライトの現役時代
主な勝ち鞍
・スプリングS 2017年
・福島記念 2017年
・中山記念 2018年、2019年
・中山金杯 2019年
・クイーンエリザベス2世カップ 2019年
・香港C 2019年
2016年の6月、東京競馬場の芝1800m戦でデビューを果たすものの、初戦は6着。
一ヶ月後の福島で行われた未勝利戦も5着と今ひとつ歯がゆい結果に終わります。
一息入った3戦目の未勝利戦で初勝利を手にし、年が変わって3歳になってからは若竹賞とスプリングSを連勝。重賞初制覇を飾ります。
皐月賞、日本ダービーと歩みを進めるものの結果は残せず、秋に仕切り直し。
初戦の毎日王冠では奮わずも叩き2戦目となった福島記念では見事勝利。
重賞2勝目を飾ります。
翌年の4歳シーズンは中山記念の1勝のみにとどまりますが、本領は5歳から。
前年は2着であった中山金杯を勝利したあとは中山記念を連覇。
この時点で中山の鬼と言われていたウインブライトですが、次走には香港のクイーンエリザベス2世カップを陣営は選択。
世界を相手に実力を示す大金星を掴み取りました。
その後春は全休で、オールカマー、天皇賞・秋と連戦するも奮わず。
叩き3戦目となったのが香港Cであり、ここで再度シャティン2000m戦で適性を見せ、2つ目の国際G1タイトルを獲得。
その後は順調さを欠いてしまうようなところもあり、翌年の香港C2着を最後に引退。
父ステイゴールド同様に海外競馬で強い輝きを放った存在でした。
ウインブライトの血統構成
父:ステイゴールド
母:サマーエタニティ
母父:アドマイヤコジーン
父ステイゴールドは平成の日本競馬史においても、個性的な一頭として数えられる名馬。
産駒には3冠馬オルフェーヴルやゴールドシップ、最強ジャンパーのオジュウチョウサンを送り出しており、産駒も父同様に個性的でありながら強いサラブレッドとして人気者。
この一族に関して、強い馬の特徴を挙げるとするならば、気性がとても荒い上に賢いというもの。
それが強さの秘訣とはいえ、見方を一つ変えれば厄介者極まれしといった感じで、系統全体としても2歳、3歳と若駒の頃は荒削りな走りが目立ちます。
ウインブライト自身はトリッキーと言われる中山戦で小器用な動きができたり、人間とのコンタクトにも大きな問題が合ったようには思えませんが、実態はどうだったのか…。
繋養先のビッグレッドファームでは、ゴールドシップを見てはいななきを見せるようです。
母のサマーエタニティは、5代血統表の中にサンデーサイレンスを持たない形の馬で、父のアドマイヤコジーンに関しては、コジーン産駒ということもあり、長く活躍を見せたスプリンター。
引退時で500kg近い馬格を有していたサマーエタニティだからこそ、ウインブライトのような優駿を送り出せたのかもしれません。
血統面からすると父からも母からもウインブライトとしては、成長力が大きな武器として引き継がれている印象。
サンデーサイレンスのクロスを有する馬がどこまで活躍を見せるのか?が一つ大きなポイントになってくるのではないかと予想しています。
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